ご注意!

2015年5月1日、石垣市条例で、チャイロマルバネクワガタヤエヤママルバネクワガタヤエヤマノコギリクワガタ採集禁止となりました。   下記、採集記は規制以前のものです。


2008.12.04(木)へっぽこ遠征in八重山列島(1日目)
沖縄県・石垣島 7:00AM 晴れのち雨 22℃

5年連続となる石垣島遠征。与那国島遠征の帰りに立ち寄ったのも入れれば8回目の入島となる。何故そこまで遠征するのかと言えば、やはりヤエヤママルバネ探索に尽きると思う。石垣島に生息しているクワガタと言えば「ヤエヤママルバネ、チャイロマルバネ、ヤエヤマノコギリ、サキシマヒラタ、ヤエヤマネブト」であるが、個人的にどうしてもマルバネ探索を中心に考えてしまう。・・・ただし、未だに確認できた個体数も少なく大歯型も確認した事がない。「何故だっ!?」と言えば“坊やなのかも知れないが...。”単純に採集が下手なだけだと思う。更に事前に採集ポイントの情報を入手せずに、出来る範囲の事を自分なりに楽しんで行きたいというのが自分の探索だと感じている。なので、結果として思う様な内容にならなくても、それが“自分のスタイル”として納得する様にしている。そんな訳でヤエヤママルバネ探索といえば、10月中旬から11月中旬くらいまでがピークの中で、今回は12月という“冬”に野外活動している個体を確認してみたくなり8度目の石垣島探索を試みた。

八重山列島・石垣島
八重山列島・石垣島



まずは羽田空港に向かう。途中、朝の通勤渋滞に巻き込まれたのだが、ふと街路樹を見ると見事なまでに紅葉している。確かに自宅を出る時かなり寒かった。そう考えると、これから南西諸島にて“野外活動しているクワガタ探索”を行うという雰囲気は全く感じられない。

紅葉する街路樹@12月東京
紅葉する街路樹@12月東京


空港に向かう高速道路も順調で、予定通り羽田空港に到着する事が出来た。いつも通り、事前に旅行会社にて予約しておいた飛行機のチケットをチェックイン機にて受け取る。

羽田空港
羽田空港



荷物を那覇空港経由で石垣島まで預け、手ぶらで飛行機に乗り込む。出来る限り立ち回りには荷物を持ちたくないので、機内持ち込みをしない様にしている。また大きな荷物などは、事前に宿泊地に発送してしまうのも1つの方法かも知れない。

まもなく搭乗
まもなく搭乗



関東の天候は晴天。こうなると静岡県上空での富士山が、どの様に見えるか非常に楽しみである。

テイクオフ
テイクオフ



そして静岡上空。今までで一番美しい富士山の姿を見ることが出来た。この時期の富士山は空気も澄んでいて本当に素晴らしい。

最高の富士山
最高の富士山




羽田を発って3時間弱。やっと沖縄県の那覇空港に到着した。いつもながらに自衛隊機の多い空港だと感じる。

自衛隊の多い那覇空港
自衛隊の多い那覇空港



とりあえず石垣空港行きの便の乗り継ぎまで少々時間があるので、昼食を空弁として販売されていた大東寿司を食べる事にした。今年の7月に実際に南大東島に遠征した際も現地で食べたが、サワラに醤油主体のタレで漬け状態になったネタを乗せた寿司であり、八丈島の島寿司の流れを汲む郷土料理である。食べてみると南大東島を思い出し、また遠征してみたくなった。

空弁を食べる
空弁を食べる



暫くすると石垣空港行きの案内が出たので、待合ロビーに進む。時期的なものなのか、修学旅行と思われる団体客がかなり多く見受けられる。考えてみれば石垣島といえば、若者に人気の高い観光地だった事を改めて感じた。

那覇空港から石垣空港へ
那覇空港から石垣空港へ



飛行機に搭乗し出発を待っていると、窓の外に「ゆいレール」が見えた。10月に沖縄本島に遠征した際も確認できたが、機会があれば一度乗ってみたい。

ゆいレールin那覇
ゆいレールin那覇



テイクオフ。那覇空港を発つと南西らしい蒼い海が見えた。海の色を見た限りでは、今月が12月である事を完全に忘れてしまうほどトロピカル感満点である。

那覇の蒼い海
那覇の蒼い海



那覇空港を発って暫くすると窓の下に宮古島が見えてきた。クワガタ的にはオキナワヒラタが生息する様であるが、今の所それほど探索してみたい気持ちは湧かない。

宮古島が見える
宮古島が見える




那覇空港から1時間ほどで八重山諸島に到達した。石垣島の町並みが見えてくる。まもなく石垣島到着である。

石垣の蒼い海
石垣島の蒼い海



実は先月も与那国島探索時に経由空港として立ち寄ってるので見慣れた感もあるが、逆に8度も来ている島なのでちょっとした安心感の様なものを感じる。

石垣空港到着
石垣空港到着



とりあえず預けておいた荷物を受け取り、レンタカー屋へ向かう。石垣島では他の島ではあまり無い設定として、レンタカーを借りた後、返却時に“ガソリン給油せず&空港乗り捨て”という非常に有り難い設定もレンタカー会社よっては出来るので、立ち回りのし易い設定を探すのも良いと思う。因みに石垣島に来る際は上記の設定を迷わず選ぶ様にしている。

おーりとーり
おーりとーり



レンタカーを借りた後、コンビニにて軽食を買い早速ポイントに向かってみる。天気予報を見た限りでは、初日の本日が一番良い条件に感じていたので、1頭でも良いので“12月の野外活動”を確認してみたい想いがあった。

市内を抜けていく
市内を抜けていく



最初の目的地に着いてみると、天気は良いものの風が強い。どこの離島でもそうなのだが、島は海に囲まれている事と都会の様に高い建築物がある訳ではないので、海沿いなど吹きっさらしの強い風が容赦なく吹きつける。流石に12月という事もあって、風を受けると寒さすら感じる。

林道に到着
林道に到着



時期的には遅すぎる12月であるが、一応ススキをチェックしチャイロマルバネの確認をしてみる。しかし、チャイロマルバネ所か他の虫ですら何も確認できなかった...。

チャイロマルバネには遅すぎる...
チャイロマルバネには遅すぎる...



その後、林道を進み夜間の探索に備え下見を行う。何度も来ている場所なので、森の中もある程度の把握はしているが、離島などの場合、台風の影響を受け土砂崩れを起していたり、林道そのものが通行止めになっていたりする。また昼と夜では絶対的に視覚効果が異なるので、安全を考えると時間が許す限り、昼間の見通しが利く内に下見をした方が良いと思う。

とりあえずルッキング
とりあえずルッキング



過去に何度かヤエヤママルバネを確認しているシイの大木に辿り着いた。周辺には他にもシイの大木が点在するので昼間であっても非常に雰囲気を感じる。ただ少々心配なのは、年々この場所の湿度が失われている様な気がしている。昨年までは湿気のあったシイの洞などもカラカラに乾燥していた。台風の影響、温暖化の影響、人為的なものなのか判らないが、長くマルバネが生息できる環境は続いてほしい。

雰囲気のありそうなシイを確認
雰囲気のありそうなシイを確認



明るい内に少しでも下見をしておこうと久しぶりに薮漕ぎを行ってみた所、スボンにもの凄い数の草の種が付いてきた。先月の与那国島探索でもかなりの量の種がズボンなどに付いたが、今回もハンパな量ではない。下手に取ろうものならパーツがズボンに食い込んでしまい、更なる時間を要してしまう。・・・種が付くという事は“他の採集者が入ってない”という証になると、前向きに種を取り除いていく。

種が纏わりつく
種が纏わりつく



種を取り除いていると、ふと黒い物体が確認できた。「まさか!」と思い確認してみるとヤエヤママルバネ♂であった。・・・そんな場所に居ると思わなかったので驚いた。しかし、見た限りでは既に息は無い様である。

石垣島・ヤエヤママルバネ♂
石垣島・ヤエヤママルバネ♂



手にとってみると、亡骸だと思われた個体は後脚を僅かながら動かし始めた。もはや文字通り“虫の息”なのだが、個体を見た感じまだ綺麗な状況から、昨日辺りまで体力の続く限り歩行を続けてたのだろう。条件が厳しい中、こうやって個体が確認できただけで嬉しい。

まだ息があった!
まだ息があった!



・・・その後も周辺を探索してみたが、特に新しい確認が出来なかった。日が暮れ始めたので一度市街地に戻る事にした。




とりあえず夜間探索用に懐中電灯用の乾電池や夕食を購入する。石垣島では非常に重宝する24時間営業しているコンビニが多い。また大型スーパーも24時間営業している場所があり、離島の中で石垣島はかなり過しやすい島だと感じる。

名前が変更したコンビニへ
名前が変更したコンビニへ



やはりコンビニ言えど南西諸島らしいものを食べたいと思い、スパムのおにぎりや八重山そばをチェックしていく。それほど味のクオリティは求められないが、普段東京で食べられないものの方が雰囲気は出る。

八重山そば
八重山そば



・・・コンビニを後にし、車内で夕食を食べながら山へ向かう。


昼間に目星をつけておいたポイントまでやって来た。マルバネの習性を考えるとシイの大木を見て回るよりは、時期的に歩行している個体の方が可能性が高い様な気がしてたので少し林道を流してみる事にした。

夜間探索、開始!
夜間探索、開始!



雨は降ってないので路面は乾いており、車のヘッドライトだけで充分確認していける。オキナワマルバネではポピュラーな採集方法になるが、ヤエヤママルバネではどこまで成果があるのか未知数であるが、普段行わない探索ほど可能性を求められるので楽しい。

路面は乾いてるので観やすい
路面は乾いてるので観やすい



暫く探索していると何やら黒い物体が確認できた。瞬間的に「質量から見てクワガタだろう...」と感じたので車を停めて改めて確認してみると、車に轢かれたヤエヤママルバネ♂であった。車に轢かれ既に息は無かったが、体液が残っており他の昆虫が体液を求め集まっていた。この個体も昨日今日に息絶えた感じがする。

なぬっ!
なぬっ!



轢かれた個体を良く確認すると大歯型であった事が窺える。初めて出会ったヤエヤママルバネ♂大歯型がこんなこんな出会いというのも“へっぽこ”らしいのかも知れないが、それでも12月に活動している個体のヒントが見えた事には変わりないので満足感の方が大きい。

・・・大歯型だった
・・・大歯型だった



更なるヤエヤママルバネ活動の確認を求めて探索を続ける。今晩は12月いえど気温も高いせいか、暗闇の中でほのかに光るオオシママドボタルの姿も多く確認できる。虫達にとって良い条件なのかも知れない。路面に黒い物体が現れる事を願いながらレンタカーを進めていく。

更に探索を続ける
更に探索を続ける


しかし、良いテンションで探索を続けていると、急に大粒の雨が降り出してしまった。天気予報では雨の可能性は殆ど無かったはずであるが、毎度ながら離島の場合、天気予報で“晴れで降水確率が0%”に近くても1日のどこかで雨が降る傾向が高い。今回は一番面白くなってきた所でそれに当たってしまった。・・・一気に路面が濡れ真っ黒になってしまった。

大雨が振り出した...
大雨が振り出した...



「困ったもんだ...。」と窓を開け雨の様子を見ていると、オオシママドボタルが車内に飛び込んできた。今晩はほのかな光を多く確認できていたが、突然の大雨にオオシママドボタルも驚いた事だろう。

オオシママドボタルが非難してきた
オオシママドボタルが非難してきた



とりあえず路面が濡れてしまい条件が厳しくなってしまったので、路上確認を諦め森に入ってみる事にした。と言っても、かなりの降水量の為、森の中も時間が経つと樹皮まで濡れてしまい、活動しているヤエヤママルバネも洞などに隠れてしまうだろう。

林も確認してみる
林も確認してみる



・・・シイの大木を回ってみたが、何も確認する事が出来なかった。




・・・結局、その後も時間を掛けて探索してみたが、雨の勢いは増すばかりなので、初日の探索を終了する事にした。残念ではあるがこれ以上無理をして危険を冒す必要もないので、明日以降に望みを繋ぐとして宿の戻る事にした。

雨には勝てず...
雨には勝てず...



宿に戻り“へっぽこノート”をまとめる。昼夜の探索にて、直前まで活動していたと思われるヤエヤママルバネの個体を確認できただけでも“へっぽこ”なりに、かなりの成果を感じた。“冬の野外活動”というキーワードを持って望んだ12月の石垣島探索であるが、条件さえ整えば明日以降、充分に可能性を掴む事が出来るかも知れない。


・・・明日の探索も楽しみだ!



成績ヤエヤママルバネ♂(瀕死&轢死の確認)
(確認後、リリース)

2日日へ

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