ご注意!

2011年に「種の保存法」国内希少野生動植物種に指定され、ヨナグニマルバネクワガタは、採集禁止となりました。
詳細は、環境省サイトにてご確認下さい。


2006.10.13(金)へっぽこ遠征in日本最西端(1日目)
沖縄県・与那国島 1:00PM 晴れ時々雨 27℃ (暑い)

2006年10月。昨年の12月頃からずっとこの日が来るのを待ち望んでいた。“日本最西端の地” 与那国島。自分は幻と言われる「ヨナグニマルバネ」を自分の目で観てみたい!という思いを抱いていた。昨年は“挑戦する事に意義がある”と思っていた。しかしそれから1年間、各離島を遠征してきて普段であれば「観れなければ仕方が無い。」という感覚であったが、この与那国島だけは特別な感覚があった・・・。

与那国島は、簡単に行ける島ではないし、島自体が東京の人間から見て(良い意味で)不便である事。食事をする場所も少なく、夕方暗くなれば少ない店も閉まってしまう。しかし、島に居る間は時計が無くてもW島時間”で充分過す事が出来る。当然、携帯電話も電波の通じない場所も多く、日頃のストレスを感じずに過す事が出来る。世の中、ネットや携帯など便利になったことも多い。しかし便利になるその反面、どこか生き難い世の中になって来た事も事実だと思っている。昨年10月に訪れ衝撃を受けた与那国島。また、そこに生息するヨナグニマルバネ。採集出来るできないは別にして、“自分に足りない何か”を見付ける為にも本当に楽しみにしていた与那国島遠征である。

日本最西端の島!
日本最西端の島!


いつも通り羽田空港から飛び立つ。今回は那覇経由という事もあって、いつも以上に旅行客が多い。飛行機に乗り込み、着席すると修学旅行生の団体と一緒になってしまった。 元気一杯の若人。・・・どうやら寝れそうにない。

羽田空港
羽田空港



定刻時間を過ぎ、飛行機は動き出したが、ノロノロ状態でなかなか滑走路に辿り着けない。理由は分かっていたが、“朝の渋滞”である。曲がり角で後ろを見てみると、延々と飛行機が連なっていた。今回は気のせいかも知れないが、かなりの大渋滞に感じた。

お約束の朝の渋滞
お約束の朝の渋滞



何とか離陸後は約2時間ほどで、南西特有の“蒼い海”が見えてきた。小さな昆虫図鑑を見ながら「与那国に着いたら、ああしよう。こうしよう。」と逸る気持ちを抑えながら、この遠征の大きさを自分自身感じていた。

南国の海が見えて来た!
南国の海が見えて来た!



飛行機は経由地点である那覇空港に着陸した。与那国島行きの便まで約2時間ほど、乗り継ぎ時間がある。もう少し時間があればレンタカーを借りて“やんばる”を探索しても良かったが、2時間では市内の“国際通り”に行って昼食をとるのも厳しいかも知れない。考えてみれば2年前に「オキナワマルバネ」を探索して以来、何故かオキマルが選択肢に入っていないが、機会があればオキマルにもチャレンジしてみたい。

那覇空港から与那国島行きに乗り継ぐ
那覇空港から与那国島行きに乗り継ぐ



与那国行きの便を待つ間、昼食をとる事にした。空港内なので本格的な沖縄料理は食べられないが、せっかくのなの「ソーキソバ」を食べる事にした。これを味わうと南西諸島にきた感がより強くなる。

沖縄・ソーキソバ
沖縄・ソーキソバ




昼食を済まし、空港内の待合室にて与那国行きの便を待つ。元々小さな飛行機なので待合ロビーには、あまり人は居ない。リラックスしながらも「与那国島で何も得られなかったらどうしよう・・・」という思いが出てくる。「何も得られなかったら・・・」と言うのはヨナグニマルバネを採集出来るかという問題だけではなく、旅に出ることで“素の自分を探しに行く”という感覚もあり、その思いが与那国では他の離島とは比べられないほど大きく感じている。

与那国行きを待つ
与那国行きを待つ



飛行機搭乗の時間が来た。ロビーから乗り込む飛行機の元までバスで走る。いざ飛行機に乗り込もうと機体を見ると、何故か新幹線を感じてしまった。・・・ジェット機も良いが、プロペラ機というのも空を飛んでいる感覚がダイレクトに伝わってくるので、それが楽しみの一つでもある。

新幹線???
新幹線???



那覇空港から離陸して約1時間30分、与那国島への着陸態勢になった。いよいよ与那国島が見えてきた!期待と不安の中、明らかにいつもと違う興奮を覚える。

与那国島が見えて来た!
与那国島が見えて来た!



与那国島に到着。天候は晴天ではないものの薄日の射す、まずまずの天候と言えるだろう。元々、南西諸島の天気はあてにならず、今さっきまで晴れていたかと思うと土砂降りになるし、そうかと思えば直ぐに晴れ間が顔を出す様な展開が多い。台風さえ来なければ何とかなるものと思っている。

与那国島に到着
与那国島に到着



与那国島に降り立ち直ぐに目に入ってきたのは「Dr.コトー診療所2006」のポスターである。島の至る所で目にする。普段は静かな島であろう与那国島で、全国ネットで放送されるドラマの舞台(撮影場所)になると来れば、大事だと思う。(実際にこの後、島の至る場所で撮影している場面に遭遇する事になる。)

島中「Dr.コトー診療所2006」
島中「Dr.コトー診療所2006」



昨年同様にヨナグニマルバネの描かれている壁画を目にする。・・・この場所は採集者であれば確実に来る場所なので、与那国遠征された方には“馴染みの深い”壁画といえるだろう。

昨年と同じヨナマルの壁画
昨年と同じヨナマルの壁画



与那国島といえば、蝶や蛾の世界最大の種「ヨナグニサン」も有名である。個人的にクワガタ以外に興味が湧かないが、迫力という点でいつも圧倒される。「もしこんなのが、夜の山中でライト目掛けて飛んできたら・・・」と思うと恐ろしいが、観てみたい気持ちもある。最大で羽を広げると25センチにもなるらしい。現地名で(アヤミハビル)と呼ばれている。

ヨナグニサン(画像は昨年撮影)
ヨナグニサン(画像は昨年撮影)



レンタカーを借りた後、逸る気持ちを抑えながら山に入っていく。昨年の与那国島遠征を終えた後、どうしても今一度改めて与那国島に行ってみたい気持ちがあったので、本屋で与那国島の地図を購入し、それを家で眺め勝手に「この辺りが怪しい!」などと見当を付けていた。その場所が生息地か分からないが、気になる場所であれば納得する為にも探索を行ないたいと思う。藪漕ぎをしながら雰囲気を感じていく。

とにかく山に入る
とにかく山に入る



とりあえず目に付いた倒木をひっくり返してみると、何やら倒木の隙間にうごめく物体が居るので確認してみると「ヤエヤマサソリ」であった。今まで南西諸島でサソリモドキは確認してきたが“本物のサソリ”を観たのは、おそらく生まれて初めてだと思う。・・・“どくけしそう”を持っていないので元に戻した。

ヤエヤマサソリ が あらわれた!
ヤエヤマサソリ



夜行性のヨナグニマルバネを観る為に、何故昼間に藪漕ぎをするかといえば“へっぽこ”にとって、夜の闇&ジャングルは非常に恐ろしいものであって、毒蛇の居ない与那国島であっても基本的に“漆黒の山”に入ること自体が怖いので、昼間に位置関係などを把握していく事で“心配事項”を軽減する為にも大事な作業となる。どちらかと言うと“へっぽこ”以上に“ヘタレ”なのかも知れない・・・。

夜の為、シイの樹を探しておく
夜の為、シイの樹を探しておく





明るい時間帯に昨年から気になっていた場所を探索し、日が傾き始めた頃には腹ペコ状態になったので、とりあえず夕食を済ませる為にも山を降りる事にした。与那国島では何度も言うかも知れないが、食事の出来る場所が少ないので確実に食事を確保する為にも無茶は出来ない。18時OPENの昨年も立ち寄った「どんぐりと山猫」という店に行く。この店は非常に人気店で、店内のスペース以上に来客があるので、時間のロスを考えると並ぶのはリスクが高いのでOPENと同時に入店する事にしている。店内のあちこちに「Dr.コトー」の俳優・女優のサインが飾られており、店の人気を物語っている。実際に東京人の自分から見ても“田舎独特の入店し難さ”は全く無く、むしろ良く見かける“明るく入り易そうな雰囲気”があるので、自然と選択肢に入ってしまう。また肝心な料理も美味で昨年同様に「ツナ素麺チャンプル」をオーダーした。価格も手頃で非常に重宝する場所だと思う。・・・因みに自分以外の客は全て「Dr.コトー」の関係者ばかりであった。

ツナ素麺チャンプル
ツナ素麺チャンプル




夕食を済ませ、いよいよメインイベントとなるヨナマル探索に入る。まずは昼間に下見した雰囲気のありそうな場所に行ってみる。


・・・レンタカーを降りて山に入ろうとしたその時、一台のレンタカーがやってきた。そして「ブッ!ブーッ!」とクラクションを鳴らしてきた。
「誰だ!?」と思ったが、ある程度察しはついていた。・・・そのレンタカーの窓が開き、ある青年の顔が見えた。爆走kozou.Aさんであった。挨拶も早々に爆走kozou.Aさんの採集状況を伺うと、既に手応えを感じている様であった。流石である。それにしても特に待ち合わせもしていないのに、南西諸島で氏に出会う確立は非常に高いと感じる。考えてみれば目標物が同じであるのだから可能性は高いのかも知れないが、不思議な縁を感じる。そして先月の奄美大島同様、有り難い事にこの後の採集に誘ってくださる。


しかし、今回の与那国島では「どうしても自分自身の力で探索してみたい!」という気持ちが強かったので、大変失礼ながらも「へっぽこ流で探索してみたい・・・」と、爆走kozou.Aさんとその場でお断りさせて頂いた。


与那国島に特別なものを感じていたので、結果として自分が「これでヨナマルが採集できなくても構わない。」という気持ちが強かった。昨年から1年ぶりに、時間とお金をかけてやってきた与那国島。結果は伴わないかも知れないが、自分自身へチャレンジしてみたかった。



・・・漆黒の闇の中へ突入して行く。他にも採集者が居るのが確認できる。可能性は低いかも知れないが、歩を進めるしかない。

漆黒の闇
漆黒の闇



昼間に下見した場所を念入りに確認していく。当然、簡単にはヨナグニマルバネを見付ける事は出来ない。それは百も承知である。とにかく今は可能性を信じて探索を続けていく。信じていれば可能性はあるはずだし、諦めてしまったらそれ以上はないのである。

シイの樹を見ていくが・・・
シイの樹を見ていくが・・・



漆黒の闇に入り数時間が経過しただろうか。当然、山の奥へ進んでいるのだから自分の位置関係が分からなくなっている。昨年であればパニックに陥っていただろうが、「与那国島はそれほど深い山は無いし、毒蛇も居ない。最悪でも朝になれば山から抜け出せるだろう。」と自分自身に言い聞かせながら歩を進めていく。もしもに備え携帯食品と飲み物も持参している。昨年より、多少なりとも精神的な余裕は増しているのかも知れない。ポジティブに“自己鍛錬の場”と思い、弱気にならない様に自己暗示を掛けていく。

絶望の闇・・・
絶望の闇・・・




更に時間は経過する。時計を見ると23時を回っている。既に山に入ってから4時間が経過していた。しかし結果は伴わない。・・・時折、プロトレックの方位系を見ながら、当てにならない出口方向を確認し「自分は迷っていない!」と意識していく。やはり山に入る時の方位計は重要になる。

プロトレックにより方角を把握する
プロトレックにより方角を把握する



山奥に入って4時間。探索しながらなので戻るだけならここまで時間は掛からないだろうが、とりあえず戻りながら樹を確認していく事にした。シイの樹があれば様々な角度からライトを照らし、可能性を信じて探していく。

既に汗で着ている服は鎧の様に重い。持参した飲み物も殆ど残っていない。脚も棒の様になって来た。・・・しかし昨年から、この与那国島遠征を心待ちにしていた訳だし「今日、もし1頭でも確認できれば明日以降、気持ち的にも余裕が出来る。」と思い、改めて集中力を増して確認していく。と、その時、黒光りする物体が目に入ってきた。・・・まさか!と思いながら近付き懐中電灯を照らし、確認してみる。


・・・・・大きなゴキだった。  残念ながら明日以降の体力を考え、そのまま出口方面に向かう事にした。

・・・残念!!
・・・残念!!




・・・宿に戻る。もう真夜中だ。

大きな観光地と違い、宿は静まり帰っている。宿の方には夜中に出かける旨を伝え了解を得ているが、夜間22時以降は周りの民家への騒音配慮の為、風呂に入る事が出来ないと言われている。汗だくで気持ち悪いが、ルールは守らなくてはいけない。この辺も与那国らしさが出ていて充分に納得が出来る。・・・トイレでタオルを濡らし体を拭く。

部屋に戻り、布団を敷き横になる。


・・・


・・・・・薄れる意識の中で考える。


自分の場合、離島に限らず本土採集でも個人的な情報量が少ない為、過去に発売された雑誌などを手に入る範囲で探して、それを基にする事も多い。おそらくネット検索等で調べて行けば、より具体的な情報を得られるかも知れない。・・・しかし、自分は雑誌や図鑑程度の生息地を基に探索を行い、出来る範囲で可能性を求めて行きたいのが本音であり、自分の採集スタイルだと思っている。だから遠い場所に遠征しても、平気でボ〜ズという結果を出してしまう。勿論、情報不足という以外にも“根性が足りない”要素もあると思う。その点では今後の更なる“自分自身への挑戦”というキーワードとして、目標にして行ければと思っている。


とりあえず与那国島の初日は終わった。

今日はボ〜ズながらも“へっぽこ”なりの手応えを感じる事は出来た。明日が本当の勝負の分かれ目になると思う...zzz



成績:ボ〜ズ

2日日へ

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