ご注意!

2007年年4月1日より、神津島動植物の保護に関する条例第4条第1項、第5条第2項及び同条例施行規則第4条第2項に基づき、ミクラミヤマクワガタ採集禁止となりました。下記、採集記は規制以前のものです。


2006.05.12(金)へっぽこ遠征in伊豆諸島(1日目)
東京都・神津島 8:00AM 曇りのち晴れ 17℃ (暖かい)

2週間前にミヤマ☆仮面さんと訪れている神津島であったが、気になる点が幾つかあったので今一度、入島する事にした。ミクラミヤマの発生時期はGWがピークと聞いている。今回はそれより少し遅いが、いつもながらのマイペースに行きたいと思う。はたして今回もミクラミヤマに出会う事はできるのであろうか?また♀は確認できるのであろうか?

2週間振りの神津島
2週間振りの神津島



前回は調布空港から飛行機であったが、今回はジェットフォイルで行く事にした。竹芝桟橋より乗り込む。ちなみに天候はあまり良くないので気になっていたが、案の定“条件付出航”となった。すでに利島は“欠航”になっており、立ち寄らない事になっている。大島までは確実に行く様であるが、その先の新島・式根島・神津島は海の状況が悪い場合、大島まで戻る事になる。・・・当然そうなって欲しくない。

竹芝桟橋にてジェットフォイル(虹)に乗る
竹芝桟橋にてジェットフォイル(虹)に乗る



竹芝桟橋を出航さえすれば「何とかなるだろう」と思っていたが、大島を出た辺りから急に雲行きが怪しくなり、波が高くなり始めた。昨年ジェットフォイルに乗った時は、海が穏やかだったので問題なかったが、今回は強い横波が船体に打ち付けるのが良く分かる。高く強い波がジェットフォイルのどてっ腹に当たる度に“ドーン!”と船内に衝撃が響く。船体は左右に大きく寄れ、船酔い気分になってきた。・・・無事に神津島まで行ってくれるのであろうか?

荒れる海!
荒れる海!


それでも何とか新島・式根島とジェットフォイルは進んでいく。・・・すると、素晴らしい事に今まで荒れていた海は穏やかになって、晴れ間も出てきた。そして神津島に着く頃には、今までの荒れ具合が嘘の様に静寂を取り戻していた。今までの流れだと“悪い方向に行く流れ”であったが、今回は良い方向に転んでくれた。「やはり神津島は特別な島だ!」“神津島の神々”に感謝したい。

間もなく神津島
間もなく神津島




ジェットフォイル「虹」を降りると“東京の蒼い海”が広がっていた。空も明るく暖かいので最高に気持ちが良い!!既に港には宿の車が迎えに着ており、2週間前に来ている事もあって迎えの方には顔を覚えて頂いている様であった。挨拶も早々に、早く山に行きたいので宿に向かう事にする。

奇跡的に晴れてきた!
奇跡的に晴れてきた!



今回の宿も「ホテル神津館」。宿の女将に挨拶をする。既に気持ちは林道気分なので“心ここにあらず”状態である。チェックイン後すぐに部屋を出る。・・・本来なら昼食をとってから山へ向かうべきなのだろうが、とにかく山へ入りミクラミヤマに会いたい!隣の神津ストアで縁起を担ぐ為に“カツ丼弁当”を購入し、山へ向かう事にした。

ホテル神津館
ホテル神津館



まず、山に向かう為の機動力としてレンタバイク屋へ行く。今回も“晴れている”ので原付を使用。神津島は、やはり原付でなくては雰囲気が出ない。レンタバイク屋から山に向かう途中、風を切るあまりの気持ちの良さにテンションが上がる!「ヒャッホーッ!!」と文字にすると恥ずかしい言葉も自然と口から出てしまう。空気も綺麗で最高に気持ち良い。すでに“ご機嫌ちゃん”だ!

機動力は原付
機動力は原付



採集条件は“これ以上ないほど”良いと思われる。前回の4月遠征・最終日にミヤマ☆仮面さんとミクラミヤマ♂を採集した時以上に気温も高く、「これで居ない方がおかしい。」と感じるほど条件は最高だと感じる。とにかく時間がもったいないので、神津ストアで買った弁当を1分で平らげ探索を開始する。

最高の林道
最高の林道



条件が良いと思われる理由のひとつに林道に多くの生物が出ている事が挙げられる。「カナヘビ」や「オカダトカゲ」の個体数が非常に多く、狭い林道を原付で流すと道端に居る個体がカサカサと逃げ出す。

オカダトカゲ
オカダトカゲ



そして程なくして、道端に何やら黒い物体が歩いているのに気が付いた。

まさかと思ったが、いきなりミクラミヤマ♂が歩いている!条件は良いと言っても、流石にいきなりの確認に至るとは思わなかった。“へっぽこ採集記”らしからぬ好スタートになった。とりあえず今日の内容として、何とか形にはなったとそれなりに安心した。

神津島・ミクラミヤマ♂
神津島・ミクラミヤマ♂



ミクラミヤマ♂確認後、原付で走り始めて間もなく、道に歩いている物体が居た。「また居たか!?」と驚いたが、ツチハンミョウだった。「まぁそんな簡単には行かないだろう...。」と思い、気を取り直し原付を走らせようと思うと...?

更にその目の前に、何か歩いている物体がまたしても目に入った。「またツチハンミョウだろう...。」と思いながらも近付いてみると、何と2頭目のミクラミヤマ♂であった。・・・しかも様子が変である。良く見ると前翅の色がちょっと違う。“へっぽこ”にとって絶対にありえないと思っていた「黄紋型」であった(別角度)。慌ててデジカメにて画像を納める。・・・正直な所、信じられなかった。価値的なものは良く分からないが“簡単には見付けられない”と聞いていたので、暫し呆然としてしまった。そうこうしている内に“黄紋型”は逆サイドの茂みに達する勢いだったので、更に数枚画像を押さえる。・・・何だか本当に有り難い気持ちになった。

奇跡の黄紋型!
奇跡の黄紋型!



早い段階で2頭、しかも“黄紋型”を確認した事で気分的には随分とリラックスしていた。そこで今まで確認していなかった場所へ移動してみる事にした。自分の“へっぽこ採集”は数を採ると言う訳ではないので、ミクラミヤマがどの様な場所で活動しているかが気になっていた。結果として確認できなかったとしても自分なりの調査が出来ればそれで構わなかった。

・・・構わないはずだった。しかし、どういう訳だか移動した場所には別のミクラミヤマ♂の個体が現れた。

草原にもいる!
草原にもいる!

歩いている画像をデジカメに押さえた後、個体を手にとってみるとこの個体も“黄紋”が出ている。先程の個体ほど明確には出ていないが左右の翅に確認できる。・・・どうみてもありえない状況だ。

良く見れば黄紋出ている
良く見れば黄紋出ている



その後も林道を流すと道路に出てくる個体が確認できる。この時期の神津島には「ツチハンミョウ」位しか同スケールの虫は歩いていないので、それでなければミクラミヤマである可能性が高い。原付で流していてもミクラミヤマが歩いていれば、小さな個体であるがすぐに分かる。

ヒョコヒョコ歩いている
ヒョコヒョコ歩いている



ミクラミヤマの歩行スピードは意外に早く、道端に姿を現したかと思うとあっという間に逆サイドに達し、そのまま茂みに消えていってしまう。林道に出現する個体数はそれなりに居ると思われるが、その個体に遭遇出来るか出来ないかは、完全に運次第という事になる。しかし、ある程度の濃い場所というのは見受けられるので、その辺りの把握がミクラミヤマ採集のポイントになると思われる。

こっちにも!
こっちにも!



今回は条件が良いのか各所でミクラミヤマが確認できる。その中には前胸部が“っぽい”個体もいる。・・・それにしても、やはり確認できるのは♂ばかりで♀は一向に見つける事が出来ない。単なる“へっぽこ”というのが理由であるが、ミクラミヤマ♂と違って♀はあまり歩き回らないのだろうか?様々な説がある様なので、出来るだけ可能性を求めて♀を探して行きたい。

ちょっと赤い?
ちょっと赤い?


日が傾き始め、気が付くと時計はレンタバイク返却の時間に迫っていた。気温も10℃近くまで下がってきて寒い。状況から見て「この寒さでは流石に出てこないだろう...。」と感じて、村に戻るべく車が頻繁に通る道に出た所、こんな所までミクラミヤマ♂は旅をしていた。日中の活動条件さえ整っていればかなりの広範囲まで歩いて行く様である。

ミクラミヤマよ、どこへ行く?
ミクラミヤマよ、どこへ行く?



レンタバイクを返却し宿に戻る。宿の部屋はおそらく昨年と同じだと思う。窓から見えるサンセットも昨年と全く同じである。昨年は異例の寒気が日本列島に流れ込んでいたので、晴れていても異常なほど寒かったが、今日は全てにおいて最高な条件だったと思う。自分の採集記は殆どが“ハズレ”に近いが、今回の様に偶に良い時もある。“偶に採れる”からこそ発見した時の感動も大きい。

美しい神津島のサンセット
美しい神津島のサンセット




風呂に入り疲れを癒した後は楽しみな夕食になる。神津島は本当に魚が美味い!今回は自分なりに充実した1日を過ごす事が出来たので、特性の舟盛を注文した。元々美味いものが数多く出てくるが、更に舟盛を追加した事で本当に腹一杯になってしまった。普段、こんな贅沢はなかなか出来ないが、せっかくという事もあるので無理をしてでも可能な事はしておきたい気持ちになる。・・・これはあくまでも食事の事であって、採集でもこの位の意欲を持たなくてはならないだろう。

宴じゃ!
宴じゃ!



・・・食事後は特にする事も無いので、明日の事を考え早めに睡眠をとる事にした zzz



成績ミクラミヤマ♂×7
ミヤマ☆仮面さん、あいあんさんの研究用として持ち帰り)

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