ご注意!

2015年5月1日、石垣市条例で、チャイロマルバネクワガタヤエヤママルバネクワガタヤエヤマノコギリクワガタ採集禁止となりました。   下記、採集記は規制以前のものです。


2004.11.13(土)へっぽこ遠征in八重山列島(2日目)
沖縄県・石垣島 1:00PM 曇り時々雨 27℃


昨晩は「ヤエヤママルバネ♀確認!」という“へっぽこ”らしくない初日が出た。しかしそのお陰で2日目は、気持ちとしても余裕がある。朝食を取った後、海岸に行ってみるとエメラルドグリーンの美しい海が広がっていた。多くの人がダイビングを楽しんでいる。考えてみれば石垣島もマリンレジャーの名所であり、自分の様に「海には全く行かずに、山ばかり」という人は、ほとんど居ないであろう...。

エメラルドグリーンな海
エメラルドグリーンな海




せっかく石垣島に来ているのだから、チャイロマルバネにチャレンジする事にした。巷の噂では今年のチャマルは大ハズレ年との事で、全く成果が出ていないらしい。それでも“ススキに付くチャマル”の姿が観たく、探索する事にした。時間を掛けて念入りに探索する。・・・しかし、全く気配が無い。大ハズレと言われている年だからこそ、あえて“ビギナーズラック”に期待していたが、現実はやはり甘くなかった。亡骸だけでもと思い林道の側溝なども確認するが、サソリモドキ以外居なかった。

南国ムード満天!
南国ムード満天!

ススキは多い...
ススキは多い...



何だがここでも聞きなれない“うるさいセミ”の鳴き声がするので探してみると「イワサキゼミ」なる南方特有のセミが確認出来た。・・・既に大汗状態になっている。気温27℃、今日も暑い!

イワサキゼミ
イワサキゼミ



周辺の水辺を見ると、関東では見掛けないトンボが居た。「ベニトンボ♂」である。本土で見掛ける「ショウジョウトンボ」より深い赤色をしている。個体数は多い様で、♀は「ウスバキトンボ」の様な黄色っぽい色をしていた。また本土より大きく黒い、リュキュウギンヤンマも確認出来た。

ベニトンボ♂
ベニトンボ♂



そうこうしている内に昼をとっくに回っていた。昼食を取ろうと思い、とりあえず市内に戻る事にした。奄美大島や沖縄本島に比べ、石垣島自体はそれ程大きくないので、車さえあれば移動は苦にならない。市内はコンビニ(HOTスパー数店)もあり不自由しない。何を食べようか迷ったが、昨日から気になっていた「八重山そば」を食べる事にした。「沖縄そば」との違いが気になっていたが、肉が少々違う程度でほとんど同じ様に感じた。ここのは美味しかった!

八重山そば
八重山そば




ここから暗くなるまで、なるべく下見をする事にした。昨晩のたった1頭とはいえ、ヤエヤママルバネを確認出来ているので気分的に楽である。探索する箇所も地図を見ながら決めていくのだが焦っていない分、島内の自然を堪能出来る。

林道を下見する
林道を下見する

石垣島は“蝶の島”と言われるほど、蝶の種類と共に個体数も非常に多く確認出来る。シジミ系の小さな蝶から、マダラ系の大きめな蝶まで至る場所で確認出来る。特にマダラ系はゆったりと飛んでいるので、それを観ていると普段 東京で“せかせか&イライラ”している自分にとって、時間がゆっくり流れる“癒される一時”になる。この島に蝶のために訪れる人がかなりいると聞くが、それも肯ける。島内でも蝶の多さを売りにしている観光業者も多い様である。

スジグロカバマダラ
スジグロカバマダラ



この林道に限っての事ではないが、石垣島内の山林はかなり乾燥している様である。降雨量はそれなりにあると思われるが、土や倒木も皆 乾燥している。実際、林道沿いに倒木が多く存在しても乾燥しているせいか、裏返しても生物が隠れている雰囲気が無い。最近この話題が問題視されている様だが、実際は想像以上に深刻化している様に感じる。

乾燥している場所が多い
乾燥している場所が多い



林道を下見していると、茂みの中から何やらガサゴソと音がする。その音の大きさからいって「かなり近くで、かなり大きな物体」だという事は“へっぽこ”でも容易に想像つく。・・・8/8富山県での「熊」遭遇を思い出す。超獣か?怪獣か?宇宙人か?・・・そして遂に、その音の正体が茂みから林道に現れた。・・・巨大なリュウキュウイノシシだった。当然焦った!・・・が、先方も同様の様で、すぐに山にお戻りになられた。・・・生きた心地がしなかった。・・・呪文など使えるはずも無く“ひのきの棒”では、オークキングに勝てる訳がない!



そんな下見を繰り返している内に18時を過ぎ、段々と暗くなってきた。林道沿いの樹木に大きなコウモリがぶら下がっている。先日の沖縄本島でも似た様なオオコウモリを観たが、これは「ヤエヤマオオコウモリ」であろう。かなりデカイ!東京でも見掛けるアブラコウモリの5倍位はあるであろう。近づこうとしたら逃げてしまった。

ヤエヤマオオコウモリ
ヤエヤマオオコウモリ




辺りがすっかり暗くなり、林道を探索する。昨晩も気付いていたのだが、ホタルが多く確認出来る。「オオシママドボタル」であろう。20_程の大きさになる“日本最大のホタル”で、見頃は10月頃から1月頃という“真冬のホタル”である。幼生はやはり陸生で、水生のカワニナならぬ陸生のカタツムリを食すという、本土では考えられない生態を持つホタルである。

オオシママドボタル
オオシママドボタル






また、クワガタ以外の画像ばかりになってきた。






・・・ヤエヤママルバネの確認がしたい。



昨日とは違う場所に移動した。一応、昼間に下見は行っているが、採集できるか判らない場所である。“へっぽこ”ながらも昨日ヤエヤママルバネ♀を確認をしているので、同じ場所ではなく他の場所でも「スダジイ」というキーワードを元に、感覚を重視してみたかった。この場所は、昼間に下見した際には林道沿いに、樹液の出ている樹木やスダジイが多く確認出来ていたので、かなり期待していた。

するといきなり黒い物体が見えた気がした。「いきなりは居ないだろう...。」と思い、巨大ゴキかと思ったが「まさか。」を考え、念の為調べる事にした。が、そのスダジイは崖の上にある樹なので容易に確認が出来ない。もし崖を登ろうとして、サキシマハブやリュウキュウイノシシが現れたら即、ゲームオーバーである!とりあえず遠方からデジカメのズームを使用してみたが、暗くて良く判らない...。

何か居るような...
何か居るような...



あたふたと焦る!時間との戦いだ!・・・ようやく試行錯誤しながらデジカメを調整し、画像を得た。マルバネだった!!♂か♀か判らないが、興奮する!!

ヤエマルだ!
マルバネだ!



クワガタまで距離はあったものの、長い枝を使い手元まで手繰り寄せた。拾い上げた個体はヤエヤママルバネ♂だった。大歯型では無く、大きさも44_と小さな個体であったが、昨晩の♀とはまた違った魅力のあるクワガタである。素直に嬉しい!まさか“へっぽこ”が2日連続でヤエヤママルバネを確認出来ると思っていなかった。ヤエヤママルバネの中では小型かも知れないが、自分が今まで見てきたクワガタには無い「貫禄」を感じる。

石垣島・ヤエヤママルバネ♂
石垣島・ヤエヤママルバネ♂

別角度から
別角度から



・・・更に林道を進み、追加確認を試みた。しかし、いくつか大きなスダジイはあるものの、マルバネは確認出来なかった。そうそう運良く確認できない事は分かっている。探索を始めてから大分時間も経ち、日付も変わる頃、宿に戻る事にした。




あっという間に、石垣島遠征は終了した。今回は2日間で、ヤエヤママルバネの♂♀ペアを確認する事が出来た。“ボ〜ズ当たり前のへっぽこ採集”からみると、出来すぎと言える内容であった。“南国”石垣島遠征は、本当に豊かな自然を堪能出来る遠征となった。今回の遠征内では確認出来なかったが、チャイロマルバネやサキシマヒラタなど石垣島固有のクワガタも生息しているので、次回また機会があれば探索してみたい。楽しかった!

また来年!?
また来年!?



“へっぽこ”に夢を与えてくれた石垣島よ「ありがとう!」と感謝したい。



成績ヤエヤママルバネ♂×1
(確認後、リリース)

嗚呼、2005年の樹液シーズンが待ち遠しい・・・。


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